すべては物理現象
一昨日の夜、京浜東北線で架線断線事故が発生。
35万人の足に影響が出たそうだ。
この日は、横浜で花火大会があり人が集まっていた。
ダイヤが乱れ、桜木町駅付近で列車の間隔が詰まり、
後続列車が手前で停車。前が空いたのでこの停止して
いた後続列車が発車した瞬間に架線が切れた。
実は、
この列車はまずいところに止まっていた。
その場所は、エアセクション。ここで止まってはいけない。
しかし、運転手は、そこがエアセクションだとは知らなかった。
エアセクションと知らせる標識もなかった。
起こるべくして起きた "現象" だった。怪我人が出なかった
ことが幸い。
これは、物理現象。電気の話。架線には、規格では1500Vの
直流電圧が掛かっている。しかし、どこの電圧も同じではない。
変電所から電力が送られている訳だが、変電所から遠くなれば電圧が低下する。
架線に電気抵抗があるからである。だいたい15kmぐらいが最長か。
なので、変電所は、約30km間隔で設けられていて、この変電所と変電所の間には
切り替え区間が必要になってくるのである。やり方はいろいろあるが、
今回事故となった、エアセクションが走行線路には設けられているケースが
多いのではないだろうか。電力供給源が違うので、電圧差が生じる。
電車が動いていないならば、いや動いていなくても、長時間そこに留まるのは
危険。仮に電圧差が10V、パンタグラフのすり板の電気抵抗が、0.1mΩだったと
すると、オームの法則で、10V / 0.1mΩ = 10万アンペアという強大な値の電流が
流れることになる。実際、ここまで流れるかどうかは定かではないが、計算上は
そうなる。こりゃ、どうみてもやばい。動き始めるとき、パンタグラフのすり板
が架線から離れるとき、アーク放電が起きて高熱が発生。これで、ジ・エンド。
"物理現象"、である。
先週、調布飛行場を飛び立った小型飛行機が 24秒後に墜落したそうです。
犠牲者が出てたいへん痛ましい事故でした。原因の正式発表はされていませんが、
離陸重量が重かったことが原因ではないかと推測されています。
もし、そうだったら、これも "物理現象"。設計重量内に収めなかったことが
問題なのでしょう。推測ですが。
理科、つまり物理の勉強が大事と思うのは、私だけでしょうか?